Proton Driveは、スイスのProton社が提供するエンドツーエンド暗号化のクラウドストレージです。
「暗号化されていて安全」と紹介されることが多いのですが、実際のところ使い勝手はどうなのか、Google Driveから乗り換える価値があるのかまで踏み込んだ情報は多くありません。
この記事では、私が実際にProton Driveを契約し、50MBのファイルをアップロードして速度を実測したうえで、料金・容量・共有機能・Google Driveとの違いを整理します。
Proton Driveとは何か
Proton Driveは、Proton Mailで知られるスイスのProton AGが提供するクラウドストレージです。最大の特徴はエンドツーエンド暗号化(E2EE)で、ファイルの中身だけでなくファイル名やフォルダ構造まで暗号化されます。
これは「Proton社の従業員でも、あなたが何というファイルを置いているか分からない」という設計です。Google DriveやDropboxは保管時に暗号化されていても運営側が復号できる鍵を持っているため、ここが構造的な違いになります。
Protonアカウント1つで、以下がまとめて使えます。
- マイファイル:通常のファイル保管
- 写真:スマホの写真を自動バックアップ(Googleフォト相当)
- コンピューター:デスクトップアプリで同期したPCのフォルダ
- 共有:暗号化されたまま他人にリンクで渡せる
- Proton Docs / Sheets:ブラウザ上で文書・表計算を編集
スイスに拠点があるため、EUや米国の開示要請が直接及びません。この点はProton Mailの安全性を徹底解説で詳しく扱っています。

アップロード速度を実測した
「暗号化されているぶん遅いのでは」という疑問があったので、実際に測りました。
ブラウザ上で50MBのランダムデータ(圧縮が効かないデータ)をアップロードし、完了までの時間を計測しています。
| 項目 | 実測値 |
|---|---|
| ファイルサイズ | 50.0 MB(ランダムデータ) |
| アップロード所要時間 | 12.4秒 |
| 実効アップロード速度 | 32.3 Mbps(4.04 MB/s) |
| 回線 | NURO光(VPN未接続で下り558.4Mbps) |
| 環境 | Web版 Proton Drive 5.2.0(Chromium) |
この12.4秒にはブラウザ側での暗号化処理が含まれています。Proton Driveはファイルを端末上で暗号化してから送信する設計なので、この数字が実際の体感になります。
50MBの写真フォルダなら十数秒、1GBのファイルなら計算上4分程度です。日常的な用途で待たされる速度ではありません。
料金と容量(日本円の実額)
料金は公式ページに表示される日本円をそのまま載せます。ドルからの換算値ではありません。
| プラン | 容量 | 月額(12ヶ月払い) | 年間請求額 |
|---|---|---|---|
| Proton Free | 5 GB | 無料 | — |
| Drive Plus | 200 GB | ¥499 | ¥5,988 |
| Proton Unlimited | 500 GB | ¥1,249 | ¥14,988 |
| Proton Duo | 2 TB(2人) | ¥1,874 | ¥22,488 |
| Proton Family | 3 TB(最大6人) | ¥2,999 | — |
注目すべきはDrive Plus(200GB・¥499)とUnlimited(500GB・¥1,249)の関係です。差額は月¥750ですが、Unlimitedにすると容量が2.5倍になるうえ、Proton Mail・VPN・Passのプレミアム機能がすべて付いてきます。
ストレージだけを増やしたいならDrive Plus、他のProtonサービスも使うならUnlimitedという判断になります。損得の詳しい計算はProton Unlimitedは元が取れる?実際に契約して損益計算した結果にまとめました。
なお無料プランのDrive枠は5GBです。Proton Mailの無料枠(1GB)とは別枠なので、混同しないよう注意してください。
▶ Proton Driveを公式サイトで見る(無料枠5GBあり)

共有機能:暗号化したまま他人に渡せる
実際に共有ダイアログを開いて確認しました。共有方法は2種類あります。
- 公開リンク:リンクを知っている人なら誰でもアクセスできる。相手にProtonアカウントは不要
- メール招待:特定の相手だけに、閲覧者/編集者の権限を指定して共有
公開リンクにはパスワード保護と有効期限を設定できます。Google Driveのリンク共有には有効期限の概念が基本的にないため、ここは実用上の差になります。「一時的に渡して、期限が来たら自動的に切る」という運用ができます。
重要なのは、共有してもエンドツーエンド暗号化が維持される点です。ダイアログにも明記されていました。共有リンクを踏んだ相手のブラウザで復号される仕組みなので、Proton側は中身を読めません。
共有の具体的な手順はProton Driveでファイルを共有する方法で解説しています。

Google Driveと何が違うのか
乗り換えを検討する人が一番知りたい部分だと思うので、率直に整理します。
| 項目 | Proton Drive | Google Drive |
|---|---|---|
| 暗号化 | E2EE(ファイル名も暗号化) | 保管時暗号化(運営が復号可能) |
| 共有リンクの有効期限 | 設定できる | 基本的に設定不可 |
| 運営の所在地 | スイス | 米国 |
| 無料容量 | 5 GB | 15 GB(Gmail等と共有) |
| ドキュメント編集 | Docs / Sheetsあり(基本機能中心) | 高機能・共同編集が強い |
| 外部サービス連携 | 限定的 | 豊富 |
Proton Driveを選ぶべき人
- ファイルの中身を運営に読まれたくない人
- 共有リンクに期限やパスワードをかけたい人
- すでにProton Mailを使っていて、まとめて管理したい人
Google Driveのままがいい人
- 仕事でGoogleドキュメント・スプレッドシートの共同編集を多用している人。Proton Docsは基本編集には対応しますが、リアルタイム共同編集や外部連携の充実度では及びません
- 無料枠だけで済ませたい人(15GB対5GB)
- 他サービスとの連携が業務に組み込まれている人
移行を具体的に進めたい場合はGoogleドライブからProton Driveに移行する方法を参照してください。
使い始める手順
Proton DriveはProtonアカウントを作るだけで使えます。Drive専用の登録は不要です。
- 無料アカウントを作成すると、その時点でDrive 5GBが使えるようになります(クレジットカード不要)
- Webブラウザで drive.proton.me にアクセスすればすぐ使えます
- Windows / macOS向けのデスクトップアプリ、iOS / Android向けのモバイルアプリもあります
- 容量が足りなくなったら、アカウント画面からDrive PlusまたはUnlimitedにアップグレードします
基本操作(アップロード・フォルダ整理・同期)はProton Driveの使い方にまとめています。まず無料の5GBで触ってみて、暗号化の使い勝手が自分に合うか確かめるのが確実です。
よくある質問(FAQ)
Proton Driveは無料でどれくらい使えますか?
無料プランでDrive枠5GBが使えます。Proton Mailの無料枠1GBとは別枠です。クレジットカードの登録は不要です。
Proton Driveのアップロードは遅くないですか?
実測したところ、50MBのファイルのアップロードに12.4秒(実効32.3Mbps)でした。この時間にはブラウザ側での暗号化処理が含まれています。日常的な用途で待たされる速度ではありません。
Google Driveと比べて何が優れていますか?
ファイル名まで含めたエンドツーエンド暗号化と、共有リンクへのパスワード・有効期限の設定です。一方でドキュメントの共同編集や外部サービス連携はGoogle Driveの方が優れています。
料金はいくらですか?
2026年7月時点で、Drive Plus(200GB)が月¥499、Proton Unlimited(500GB+Mail・VPN・Passのプレミアム機能)が月¥1,249です(いずれも12ヶ月払い)。
共有した相手にもProtonアカウントが必要ですか?
公開リンクでの共有なら不要です。リンクを知っていれば誰でもアクセスできます。パスワードや有効期限を設定して制限することもできます。
まとめ
実際に契約して検証した結論をまとめます。
- Proton Driveはファイル名まで暗号化されるクラウドストレージ。運営側も中身を読めない設計
- アップロードは50MBで12.4秒(32.3Mbps)。暗号化処理を含めてこの速度なら日常利用で困らない
- 料金はDrive Plus 200GBが月¥499、Unlimited 500GBが月¥1,249。無料枠は5GB
- 共有リンクにパスワードと有効期限を設定できる点はGoogle Driveにない強み
- ただしドキュメントの共同編集と外部連携はGoogle Driveが上。完全な置き換えを狙うと無理が出る
「見られて困るファイルの置き場所」として考えるなら、無料の5GBから試す価値は十分にあります。用途を分けて併用するのが、現実的でストレスの少ない使い方だと思います。
▶ Proton Driveを公式サイトで確認する(無料枠5GBから)

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