Bitwardenの使い方【Chromeからの移行を軸に、無料版でどこまでできるか】

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Bitwardenは、無料でも保存数・端末数に制限のないパスワードマネージャーです。使い始めるうえで実際につまずくのは、操作方法よりも「今ブラウザに保存しているパスワードをどう移すか」です。

この記事はそこを軸に組み立てます。特にBitwarden公式が明確に警告している落とし穴が1つあり、これを知らずに作業すると保管庫がぐちゃぐちゃになります。

その落とし穴とは、「インポートは重複をチェックしない」ことです。同じファイルを2回読み込むと、同じ項目が2つできます。しかもまとめて消す機能はありません。

検証条件:2026年7月26日に、Bitwarden公式ドキュメント(インポート、Chromeからの移行、料金・機能比較)の各ページを実際に開いて記載内容を確認しました。無料版と有料版の機能差は、Bitwarden公式の料金ページの比較表で確認しています。なお私はBitwardenのアカウントを作成しておらず、この記事は公式ドキュメントに基づく解説です。実際の画面を撮影したものではない点をご理解ください。

始める前に:無料版でできること・できないこと

先に範囲を把握しておくと、あとで慌てません。Bitwarden公式の料金ページで確認した内容です。

機能 無料
保存できるパスワード数 無制限
使える端末数 無制限
ブラウザ拡張・スマホ・デスクトップアプリ すべて使える
パスキー 対応
他人との共有 1人まで
暗号化エクスポート できる
内蔵の2FA(認証コード生成) できない(有料)
ファイル添付 できない(有料)
緊急アクセス できない(有料)
保管庫の健全性レポート できない(有料)

大事なのは「パスワードを保存して自動入力する」という本来の用途は、無料版で完全に足りるということです。無制限に保存でき、端末も制限されません。

よく誤解されますが、認証アプリとしての機能(6桁コードの生成)は有料です。無料で2段階認証コードを管理したいなら、別の認証アプリを使うことになります。当サイトではProton Authenticatorを紹介していますが、こちらは無料かつアカウント不要です。

ステップ1:アカウントを作る前に決めておくこと

登録自体は数分で終わります。ただしマスターパスワードだけは慎重に決めてください。

マスターパスワードの重要性

Bitwardenは、保管庫の中身をマスターパスワードから作られた鍵で暗号化します。つまりBitwarden側にも中身は見えません。これは安全ですが、裏返すと次のことを意味します。

  • マスターパスワードを忘れると、誰にも復旧できません。 運営に問い合わせても無理です
  • 保管庫のデータは実質的に失われます

決め方の指針

  • 他のどこにも使っていない、長いものにする
  • 覚えられない場合は紙に書いて物理的に安全な場所に保管する(これは推奨される運用です)
  • 登録後すぐにマスターパスワードのヒントを設定しておく
「パスワードマネージャーを使うのにパスワードを紙に書くのか」と思うかもしれませんが、マスターパスワード1つだけなら紙が最も安全です。オンラインのどこにも置かないのが正解です。

ステップ2:Chromeのパスワードを移す(ここが本番)

作業は2段階です。Chromeから書き出して、Bitwardenに読み込むだけです。

①Chromeから書き出す

  1. Chromeの設定から chrome://password-manager/settings を開く
  2. 「パスワードをエクスポート」を選び、ファイルをダウンロードする
  3. パソコンのパスワード入力を求められるので認証する

詳しい手順はChromeのパスワードをエクスポートする方法に画像付きでまとめました。

書き出したCSVファイルは、パスワードが平文で入っています。作業が終わったら必ず削除してください。ダウンロードフォルダに置きっぱなしにするのが最も危険です。

②Bitwardenに読み込む

公式の手順は次の通りです。

  1. Webアプリで「Tools」を選ぶ
  2. 「Import」を選ぶ
  3. 保存先を選ぶ(個人なら「My vault」)
  4. File format から書き出したファイルの形式を選ぶ
  5. ファイルを選択して読み込む

インポートはWebアプリのほか、ブラウザ拡張・デスクトップアプリ・CLIからもできます。データはサーバーに送られる前に手元で暗号化されると公式に明記されています。

【最重要】重複チェックがない

公式ドキュメントには、はっきりこう書かれています。

「インポートは重複をチェックしません。同じファイルを複数回インポートしたり、すでに保管庫にある項目をインポートしたりすると(重複します)」
― Bitwarden公式ドキュメント「Import to your Vault or Collections」より

「うまくいったか分からないから、もう一度読み込んでおこう」が一番やってはいけない操作です。

失敗しないための進め方は次の通りです。

  • 読み込みは1回だけ。 エラーが出ていないなら成功しています
  • 読み込み後に件数を確認する。 元のCSVの行数と合っているか見る
  • 足りなければ追加ではなく、まず原因を調べる

移せないもの

公式によると、ファイルの添付とSend(一時共有)はインポートできません。これらは移行後に個別に登録し直す必要があります。

他のサービスからの移行

Chrome以外にも、公式ガイドが用意されている移行元があります。

LastPass / 1Password / Keeper / Dashlane / Edge・Chromium系ブラウザ / macOS・Safari / Firefox / KeePass / Password Safe / Myki

一覧にないサービスでも、エクスポート機能さえあれば、ファイルを対応形式に整えることで取り込めます。

ステップ2:Chromeのパスワードを移す(ここが本番)

ステップ3:ブラウザ拡張を入れて、Chromeの保存機能を切る

ここを忘れると、移行した意味が半減します。

やること

  1. 使っているブラウザにBitwardenの拡張機能を入れる(Chrome / Firefox / Safari / Edge に対応)
  2. 拡張機能にログインする
  3. Chromeのパスワード保存機能をオフにする
  4. Chromeに保存済みのパスワードを削除する

なぜChrome側を消すのか

2つ理由があります。

  • 両方に残っていると、どちらが最新か分からなくなります。 パスワードを変更したときに片方だけ古いままになり、ログインできない原因になります
  • Chromeに残したままだと、Googleアカウントに紐づいた状態が続きます。 脱Googleの観点では、ここを外さないと意味がありません
順番が大事です。Bitwardenで実際にログインできることを確認してから、Chrome側を消してください。先に消すと、うまく移行できていなかった場合に詰みます。

ステップ4:2段階認証を設定する

パスワードマネージャーは、すべてのパスワードが1か所に集まる場所です。ここが破られると全部持っていかれます。

Bitwardenの無料版でも、アカウント自体の2段階認証は設定できます。公式の比較表によると、対応しているのは次の方法です。

  • 認証アプリ(Authentication app)
  • メール
  • ハードウェアセキュリティキー(最大10個)
  • Yubico OTP
  • Duo
紛らわしいので整理します。
・Bitwardenアカウントを2段階認証で守る → 無料でできる
・他サービスの2FAコードをBitwardenで管理する → 有料
この2つは別の話です。前者は必ず設定してください。

認証アプリが必要なら、無料でアカウント登録も不要なProton Authenticatorが使えます。

無料版で足りなくなったら

使い込むうちに、有料版が必要になる場面が出てくるかもしれません。

やりたいこと 必要なもの
2FAコードもまとめて管理したい Bitwarden Premium(年$19.80)
家族6人で使いたい Bitwarden Families(年$47.88)
使い捨てメールアドレスも欲しい Proton Pass(無料で10個)
自分のサーバーで運用したい Bitwardenのセルフホスト(サーバーもオープンソース)

エイリアスが欲しい場合は注意

Bitwardenにもエイリアス連携機能はありますが、これは他社のサービスを呼び出す機能です。SimpleLogin、Addy.io、Firefox Relay、Fastmail、Forward Email、DuckDuckGoのいずれかにアカウントを作り、APIキーを登録する必要があります。

一方Proton Passはエイリアスが最初から内蔵されていて、無料で10個使えます。追加のアカウントは不要です。

両者の詳しい比較はProton Pass と Bitwarden を比較にまとめました。結論だけ書くと、パスワード管理だけならBitwardenで十分です。Proton Passが効いてくるのは、メールごとプライバシーを整理したい場合です。

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よくある質問(FAQ)

Bitwardenは無料でどこまで使えますか?

パスワードの保存数と端末数が無制限で、ブラウザ拡張・スマホアプリ・デスクトップアプリもすべて使えます。パスキーにも対応しており、他人1人との共有もできます。一方、内蔵の2FAコード生成、ファイル添付、緊急アクセス、保管庫の健全性レポートは有料です。

Chromeのパスワードを移すにはどうすればいいですか?

Chromeの設定から chrome://password-manager/settings を開き、「パスワードをエクスポート」でファイルをダウンロードします。次にBitwardenのWebアプリで Tools → Import を開き、保存先とファイル形式を選んで読み込みます。書き出したCSVはパスワードが平文で入っているため、作業後に必ず削除してください。

インポートを2回やってしまいました

同じ項目が重複しています。Bitwarden公式が「インポートは重複をチェックしない」と明記しており、まとめて削除する機能もありません。手作業で消すことになるため、インポートは1回だけにしてください。うまくいったか不安な場合は、追加で読み込むのではなく件数を確認してください。

Bitwardenで2段階認証コードを管理できますか?

有料プランが必要です。ただしBitwardenのアカウント自体を2段階認証で守ることは無料でできます。この2つは別の話なので混同しないでください。無料で他サービスの2FAコードを管理したい場合は、別の認証アプリを使うことになります。

マスターパスワードを忘れたらどうなりますか?

復旧できません。Bitwardenは保管庫をマスターパスワードから作った鍵で暗号化しており、運営側にも中身が見えない設計です。忘れるとデータは実質的に失われます。他のどこにも使っていない長いものを設定し、紙に書いて物理的に安全な場所へ保管することをおすすめします。

Chromeのパスワードは消したほうがいいですか?

消してください。両方に残っていると、どちらが最新か分からなくなります。またChromeに残したままではGoogleアカウントに紐づいた状態が続きます。ただし順番が重要で、Bitwardenで実際にログインできることを確認してから消してください。

まとめ

公式ドキュメントを確認してまとめた要点です。

  • 無料版で本来の用途は足ります。 保存数も端末数も無制限です
  • 内蔵の2FAコード生成は有料。 アカウント自体の2段階認証は無料でできます。ここは別の話です
  • インポートは重複をチェックしません。 読み込みは1回だけ。不安でも重ねて読み込まないでください
  • 書き出したCSVは平文です。 作業後に必ず削除してください
  • Chrome側は必ず消す。 ただしBitwardenでログインできることを確認してからです
  • マスターパスワードは復旧できません。 紙に書いて物理的に保管するのが最も安全です

移行そのものは30分もかかりません。詰まるとしたら重複インポートと、Chrome側を消し忘れる2点だけです。ここさえ避ければ失敗しようがありません。

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この記事は2026年7月26日にBitwarden公式ドキュメントを確認して書いています。私はBitwardenのアカウントを作成しておらず、実際の画面を撮影したものではありません。手順は公式ドキュメントの記載に基づくものです。当サイトはBitwardenの紹介プログラムには参加していません。

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