Tuta(旧Tutanota)とは?Proton Mailと比べて分かった強みと3つの制約

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Tuta(トゥータ)は、ドイツの暗号化メールサービスです。旧名はTutanota(トゥータノータ)で、この名前で覚えている人も多いと思います。

Proton Mailと並んで名前が挙がる存在で、実際に容量あたりの価格ではProtonより安いです。耐量子暗号を打ち出している点でも先を行っています。

ただし公式の機能表を1行ずつ確認したところ、乗り換えを考えている人にとって致命的になりうる制約が見つかりました。

結論を先に書くと、「Gmailから過去のメールを持ってきたい」なら、Tutaでは最上位プランの契約が必要です。無料プランでも中位プランでも、メールのインポートができません。

検証条件:2026年7月26日に、Tuta公式の日本語ページ(料金ページ、機能比較表、暗号化メールの説明ページ)を実際に開いて記載内容を確認しました。Proton Mail側の情報は、Proton公式の料金ページおよびProtonが公開しているTutaとの比較ページを参照しています。私が実際に契約して使っているのはProton Mailのみで、Tutaのアカウントは作成していません。公開情報の突き合わせである点をご理解ください。

Tutaとは何か

位置づけを整理します。

項目 内容
拠点 ドイツ
旧名 Tutanota
アカウント数 公式表記で1,000万以上
無料プラン あり(1GB)
日本語UI あり
デスクトップアプリ Windows / macOS / Linux(オープンソース)
登録時 電話番号不要

打ち出しているのは「耐量子暗号」

Tutaの日本語ページには、「メールに耐量子暗号を採用した世界初のサービス」という記載がありました。将来、量子コンピュータが現在の暗号を破れるようになったときに備える、という趣旨です。

公式の説明では、メールだけでなくメールボックス全体・カレンダー・連絡先が暗号化されるとされています。

量子コンピュータへの備えは、正直なところ今日明日の話ではありません。ただ「いま暗号化して保存されたデータが、10年後に解読される」という懸念は現実にあります。長期保存するメールほど、この論点は効いてきます。ここを先に手当てしているのは評価できる姿勢です。

料金:容量あたりではProtonより安い

2026年7月26日時点で、公式の日本語料金ページに表示されていた金額です。

プラン 月額(年払い) 容量 主な内容
Free €0 1 GB カレンダー1個、ラベル3個
Revolutionary €3(約¥510) 20 GB 追加アドレス15個、独自ドメイン3つ、ラベル無制限
Legend €8(約¥1,360) 500 GB 追加アドレス30個、独自ドメイン10個

Proton Mailと並べると

Tuta Revolutionary Proton Mail Plus
月額 €3(約¥510) ¥499
容量 20 GB 15 GB
追加アドレス 15個 10個
独自ドメイン 3つ 1つ

ほぼ同額で、容量もアドレス数も独自ドメイン数もTutaが上回ります。メール単体の条件で比べるなら、Tutaのほうが得です。

ただしTutaはユーロ建てです。円での請求額は為替で変動します。この記事の円換算は1ユーロ170円と置いた目安です。

【最重要】メールの移行は最上位プランでしかできない

ここが乗り換えを考える人にとって決定的です。

Tuta公式の機能比較表を確認したところ、「メールのインポート」にチェックが付いているのはLegendプランだけでした。

機能 Free Revolutionary
(€3)
Legend
(€8)
カレンダーの共有 ― ○ ○
イベントへの招待 ― ○ ○
自動返信 ― ○ ○
メールのインポート ― ― ○

つまりGmailから過去のメールを持ってくるには、月€8(約¥1,360)のLegendプランが必要です。

年額にすると約¥16,000。メールだけのために払う金額としては、決して軽くありません。

Proton Mailの場合

Protonには「Easy Switch」という移行ツールがあり、Gmailからメール・カレンダー・連絡先をまとめて取り込めます。こちらは無料プランでも使えます。

実際の手順はGmailからProton Mailに移行する方法に画像付きでまとめました。

「新しく作るアカウントとして使う」なら、この制約は関係ありません。無料の1GBから始められます。
問題は「Gmailをやめて乗り換える」という文脈です。過去のメールを捨てられる人は少ないので、実質的にLegend前提になります。ここを書いていない紹介記事が多いので、注意してください。

【最重要】メールの移行は最上位プランでしかできない

IMAP・PGPに対応していない(Protonの比較ページより)

もう2つ、構造的な違いがあります。

Protonが公開しているTutaとの比較ページには、次のように書かれていました。

「TutaはIMAP、POP3、SMTPに対応していないため、メールボックスの管理はTuta独自のアプリか、Thunderbirdのアドオン経由になります。ただし後者はネイティブな統合ではありません。」
「TutaはPGPに対応していないため、外部の宛先へのメールは既定ではエンドツーエンド暗号化されません。」
― Proton公式「Proton Mail vs Tuta」比較ページより(要約)

この主張の扱いについて

これは競合であるProton側が書いた比較ページなので、そのまま鵜呑みにはできません。Proton自身も「2026年6月時点の公開情報に基づく」と注記しています。

そこで私のほうでもTuta側の資料を確認しました。結果は次の通りです。

  • Tuta公式の料金ページ・機能比較表に、IMAP・SMTP・PGP・Thunderbirdという語は1つも出てきませんでした
  • 暗号化メールの説明ページでも、対応環境として挙げられているのはAndroid・iOS・Linux・Windows・macOS・ブラウザという自社クライアントのみでした

Tuta側が明確に否定も肯定もしていないため断定はできませんが、少なくとも「機能として宣伝されていない」ことは確かです。通常、対応していれば売りとして書くはずの項目です。

これが効いてくる場面

やりたいこと Tuta Proton Mail
Outlook・Thunderbirdで使う 難しい Bridge経由で可能(有料)
外部の相手とPGPで暗号化通信 非対応 OpenPGP対応
パスワード保護メールを送る ○ ○

なおパスワードを設定して暗号化メールを送る機能は両社ともあります。相手がどのメールサービスでも、パスワードを共有すれば暗号化してやり取りできます。

Proton側のIMAP接続の仕組みはProton Mail Bridgeとは?にまとめました。

Proton Mailとの比較まとめ

確認できた範囲で並べます。

項目 Tuta Proton Mail
拠点 ドイツ スイス
無料プラン ○(1GB) ○(1GB)
日本語UI ○ ○
容量あたりの価格 安い(20GB / €3) 15GB / ¥499
耐量子暗号 採用済み ―
メールの移行 最上位プランのみ 無料プランでも可
IMAP / メールソフト 非対応 Bridge経由で可能
PGP 非対応 対応
メール以外のサービス カレンダーのみ VPN・ストレージ・パスワード管理
日本語の情報量 少ない 比較的多い

どちらを選ぶか

  • 新しいアドレスとして使い始めるなら、Tutaは十分に良い選択です。 無料で始められ、有料でも容量あたりで得をします
  • Gmailから乗り換えるならProton Mailが現実的です。 過去のメールを無料で持ってこられる差は大きいです
  • メール以外も脱Googleするならproton一択です。Tutaにはカレンダー以外のサービスがありません
  • 暗号化の先進性を重視するならTuta。 耐量子暗号はProtonにない要素です
私がProtonを使っているのは、メール単体で選んでいないからです。メール単体の勝負なら、Tutaが勝つ場面は普通にあります。そこを曲げて書くつもりはありません。

5つのサービスを横並びで比べたものはGmailの代替メールサービス5選、Proton Mail自体の不満点はProton Mailの評判は本当か?にまとめています。

▶ Proton Mailを無料で試す(過去のメールも無料で移行できます)

よくある質問(FAQ)

TutaとTutanotaは違うサービスですか?

同じサービスです。Tutanotaが旧名で、現在はTutaに名称が変更されています。検索するとどちらの名前でも情報が出てきますが、同一のものを指しています。

Tutaは無料で使えますか?

使えます。無料プランは1GB、カレンダー1個、ラベル3個までです。クレジットカードも電話番号も不要で、日本語UIにも対応しています。

GmailからTutaに乗り換えられますか?

アドレスを新しく作ることはできますが、過去のメールを持ってくるには注意が必要です。Tuta公式の機能比較表では、メールのインポートに対応しているのは最上位のLegendプラン(月€8)だけでした。無料プランと中位のRevolutionaryプランでは移行できません。

TutaとProton Mail、どちらが安いですか?

メール単体ならTutaです。Tuta Revolutionaryが20GBで月€3(約¥510)、Proton Mail Plusが15GBで月¥499なので、ほぼ同額で容量はTutaが上回ります。追加アドレス数と独自ドメイン数もTutaが多いです。ただしメールの移行が必要な場合は、実質的に月€8のプランが前提になります。

OutlookやThunderbirdで使えますか?

Protonが公開している比較ページによると、TutaはIMAP・POP3・SMTPに対応しておらず、Tuta独自のアプリかThunderbirdのアドオン経由での利用になるとされています。Tuta公式の資料にもIMAPやSMTPへの言及は見当たりませんでした。Tuta側が明確に否定しているわけではないため断定はできませんが、機能として宣伝はされていません。

耐量子暗号とは何ですか?

将来、量子コンピュータが現在の暗号を解読できるようになった場合に備えた暗号方式です。Tutaは「メールに耐量子暗号を採用した世界初のサービス」と説明しています。今すぐ効果が出るものではありませんが、長期保存するメールほどこの備えは意味を持ちます。

まとめ

公式ページを確認した結果をまとめます。

  • Tutaは旧Tutanota。 ドイツ拠点で、日本語UIにも対応しています
  • 容量あたりの価格はProtonより安い。 20GBで月€3、追加アドレスも独自ドメインも多く使えます
  • 耐量子暗号を採用しています。 Protonにはない要素です
  • メールの移行は最上位プラン限定。 Gmailから乗り換えるなら月€8が前提になります
  • IMAP・PGPには対応していないとされています。 Tuta側の資料にも記載がなく、メールソフトでの利用は難しそうです
  • メール以外のサービスはカレンダーのみ。 脱Googleを一式で進めるには足りません

新しいアドレスとして使い始めるなら、Tutaは素直に良い選択です。一方で「Gmailをやめて過去のメールごと移したい」なら、無料で移行できるProton Mailのほうが現実的です。どちらも無料で試せるので、まず両方作ってみるのが確実だと思います。

▶ Proton Mailの無料アカウントを作る

この記事は2026年7月26日にTuta公式の日本語ページとProton公式の比較ページを確認して書いています。私が実際に契約して使っているのはProton Mailのみで、Tutaのアカウントは作成していません。使用感まで検証したものではない点、またIMAP・PGPについてはProton側の主張とTuta側資料の不記載から判断している点を、区別してお読みください。

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