Proton MailでSMTP送信の設定を調べると、まったく違う2つの説明が出てきて混乱します。
片方は「ホストは127.0.0.1」、もう片方は「ホストはsmtp.protonmail.ch」。どちらも正しいのですが、用途がまったく違う別々の仕組みです。
実際に管理画面を確認して、この2つを整理しました。自分がどちらを使うべきかが分かれば、設定でつまずくことはありません。
SMTP送信の方法は2つある
Proton MailからSMTPで送信する方法は、目的によって2つに分かれます。
| Bridge経由 | SMTPトークン | |
|---|---|---|
| 接続先ホスト | 127.0.0.1(自分のPC) | smtp.protonmail.ch(Protonのサーバー) |
| ポート | 1025 | 587 |
| 暗号化 | STARTTLS | STARTTLS |
| 必要なもの | Bridgeアプリの常時起動 | 独自ドメインのアドレス |
| 主な用途 | メールソフト(Outlook等) | 複合機・CRM・Webサイトからの自動送信 |
混乱の原因はここです。同じ「SMTP設定」という言葉で、接続先が自分のPCなのかProtonのサーバーなのかが変わります。
どちらを選ぶべきか
- 普段使いのメールソフトでProton Mailを送受信したい → Bridge経由
- 複合機でスキャンした書類をメール送信したい → SMTPトークン
- Webサイトの問い合わせフォームから自動送信したい → SMTPトークン
- CRMやERPと連携したい → SMTPトークン
つまり「人が読み書きする」ならBridge、「機械が自動で送る」ならSMTPトークンという分け方になります。
Bridge経由の場合
OutlookやApple Mail、Thunderbirdといったメールソフトで使う場合はこちらです。
Bridgeは、あなたのパソコンの中にSMTPサーバーを立ち上げます。実際に起動した状態でローカルのポートを確認したところ、次のように待ち受けていました。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| Hostname | 127.0.0.1 |
| Port(SMTP) | 1025 |
| Security | STARTTLS |
| Username | あなたのProtonメールアドレス |
| Password | Bridgeが発行する専用パスワード |
この方式の制約はBridgeを起動しておく必要があることです。パソコンの電源が切れていると送信できません。そのため、機械からの自動送信には向きません。
Bridgeの仕組みと導入手順はProton Mail Bridgeとは?実際に導入して分かった仕組みと設定値で詳しく解説しています。
SMTPトークンの場合
複合機やWebサービスなど、機械が自動でメールを送る用途にはこちらを使います。Bridgeは不要です。
管理画面で実際に確認した設定場所は次のとおりです。
アカウント設定 → Proton Mail → IMAP/SMTP → SMTP送信
この画面には「SMTP送信により、サードパーティのサービスまたはデバイスがカスタムドメインアドレスの Proton Mail を介してメールを送信できるようになります」と説明があり、「トークンを生成」ボタンが置かれています。
接続に使う値
| 項目 | 値 |
|---|---|
| SMTPホスト | smtp.protonmail.ch |
| ポート | 587 |
| 暗号化 | STARTTLS |
| 認証方式 | PLAIN または LOGIN |
| ユーザー名 | 生成されたSMTPユーザー名 |
| パスワード | 生成されたSMTPトークン |
独自ドメインが必須です
ここが最大の条件です。SMTPトークンは、独自ドメインのメールアドレスとペアで発行されます。@proton.me のアドレスでは使えません。
トークンを作るときには「トークン名」と「紐づける独自ドメインアドレス」を指定します。トークン名は用途が分かるように付けておくと、後から見て「どの機器で使っているか」が分かります。
どちらも使えないケース
設定を始める前に、前提条件を確認しておいてください。
| あなたの状況 | SMTP送信 |
|---|---|
| 無料プランを使っている | 使えません(Bridge・SMTPトークンとも有料機能) |
| 有料プランだが独自ドメインがない | Bridgeのみ利用可能 |
| 有料プラン+独自ドメインあり | 両方とも利用可能 |
無料プランではどちらも使えません。Proton Mailを外部のソフトや機器から扱いたい場合、有料プランへの加入が前提になります。
独自ドメインの設定は、管理画面の「ドメイン名」から行います。プランによって登録できる数が決まっており、確認した環境では最大3つまででした。
プランごとの機能差はProton Unlimitedは元が取れる?実際に契約して損益計算した結果で整理しています。
つまずきやすい点
実際に画面を見ながら整理していて、間違えやすいと感じた点をまとめます。
- ホスト名を取り違える。 Bridge経由なら127.0.0.1、SMTPトークンならsmtp.protonmail.chです。解説記事によってどちらを指しているかが違うので、まず自分がどちらの方式かを確定させてください
- Protonのパスワードを入力してしまう。 Bridgeは専用パスワード、SMTPトークンは生成されたトークンを使います。どちらもログイン用のパスワードではありません
- ポート番号を混同する。 Bridge経由のSMTPは1025、SMTPトークンは587です。ちなみにBridgeのIMAP(受信)は1143です
- 独自ドメインなしでSMTPトークンを使おうとする。 @proton.meのアドレスでは発行できません
- Bridgeを終了したまま送信しようとする。 Bridge経由の場合、アプリが起動していないと接続先が存在しません
よくある質問(FAQ)
Proton MailでSMTP送信するにはどうすればいいですか?
目的によって2通りあります。メールソフトで使うならProton Mail Bridge経由(127.0.0.1のポート1025)、複合機やWebサービスからの自動送信ならSMTPトークン(smtp.protonmail.chのポート587)を使います。
SMTPのホスト名は127.0.0.1とsmtp.protonmail.chのどちらですか?
どちらも正しく、方式によって変わります。Bridge経由の場合はあなたのパソコン内のサーバーに接続するため127.0.0.1、SMTPトークンの場合はProtonのサーバーに直接接続するためsmtp.protonmail.chです。
SMTPトークンを使うのに条件はありますか?
独自ドメインのメールアドレスが必要です。トークンは独自ドメインアドレスとペアで発行されるため、@proton.meのアドレスでは利用できません。
無料プランでSMTP送信できますか?
できません。BridgeもSMTPトークンも有料プランの機能です。外部のソフトや機器からProton Mailを使いたい場合は有料プランへの加入が必要になります。
パスワードは何を入力すればいいですか?
Protonのログインパスワードではありません。Bridge経由の場合はBridgeが発行する専用パスワード、SMTPトークンの場合は生成されたトークンを使います。
まとめ
整理すると次のとおりです。
- SMTP送信の方法は2つあり、用途で選びます。 人が読み書きするならBridge、機械が自動送信するならSMTPトークン
- Bridge経由: ホスト127.0.0.1・ポート1025・STARTTLS。Bridgeアプリの常時起動が必要
- SMTPトークン: ホストsmtp.protonmail.ch・ポート587・STARTTLS。独自ドメインが必須
- どちらもパスワードは専用のものを使います。Protonのログインパスワードでは接続できません
- 無料プランでは両方とも使えません
解説記事を読んでいて「ホスト名が違う」と感じたら、それは間違いではなく方式が違うだけです。まず自分がどちらを使うべきかを決めてから設定に入れば、迷わずに済みます。

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