Proton VPNは危険?実際に接続して「本当に隠れるか」を検証しました

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「Proton VPN 危険」と検索されるのには、はっきりした理由があります。無料で使えるVPNだからです。

無料VPNには通信ログを売って稼ぐものが実際に存在するので、「タダより高いものはない」という警戒は正しい反応です。ではProton VPNはどうなのか。

この記事では、私が実際にProton VPNに接続してIPアドレスとDNSが本当に隠れるのかを実測し、その結果と運営体制を突き合わせて判断します。あわせて、実際に使って分かった不利な事実も隠さず書きます。

先に結論を言うと、「危険」と切り捨てる根拠は見つかりませんでした。ただし「完全無欠」でもなく、実際に使えなかったサーバーもありました。判断材料として両方出します。

検証条件:2026年7月25日、Proton VPN(Unlimitedプラン)を実際に契約し、隔離したLinuxコンテナ内からOpenVPN(UDP)で日本サーバーに接続して検証しました。IPアドレスと所在地の判定にはipinfo.ioを使用しています。速度の数値は同日に固定回線(NURO光)で測定したものです。

なぜ「危険」と言われるのか

検索される理由を整理すると、大きく3つに分かれます。

  • 無料版があるから。「無料でVPNを提供して、どこで利益を出しているのか」という疑問
  • VPN全般への警戒。通信をすべて経由させる仕組みなので、事業者が悪意を持てば内容を見られるのではないかという不安
  • そもそも実態が確認しづらい。「ノーログ」と書いてあっても、それが本当かは利用者側から確かめようがない

特に2つ目と3つ目は、VPNというサービスの構造的な問題です。利用者はサーバーの中身を見られません。だから「信じるかどうか」の話になりがちで、それが不安の正体になっています。

この記事では、利用者の立場から実際に確認できることだけを検証します。確認できないことは「確認できない」と書きます。

無料VPNが危険と言われるのは事実

まず前提として、「無料VPNは危険」という一般論そのものは正しいです。VPNの運営にはサーバー代と回線代がかかります。利用者から料金を取らないなら、どこかで収益を得ているはずです。

過去に問題になった無料VPNの収益パターンには、次のようなものがあります。

  • 通信ログや閲覧履歴を第三者に販売する
  • 広告を注入する
  • 利用者の回線を他人に又貸しする(帯域の転売)

つまり「無料VPNだから危険」という警戒は、個々のサービスを疑う前に、ビジネスモデルを疑えという話です。ここは正しい着眼点です。

ではProton VPNの無料版はどう成り立っているのか。Protonは公式に「有料プランの利用者が無料版を支えている」と説明しています。ただしこれはProton側の説明であり、私が会計を検証したわけではありません。この記事では、その説明が正しいかどうかではなく、実際の挙動から何が言えるかを見ていきます。

実測:本当にIPアドレスは隠れるのか

VPNの最も基本的な仕事は「接続元を隠すこと」です。これは利用者側から検証できるので、実際に測りました。

公衆Wi-Fi(無料Wi-Fiスポット)から接続し、VPNのオン・オフで何が見えるかを比較します。

項目 VPN OFF VPN ON(日本サーバー)
出口IPアドレス 103.5.140.157 103.155.232.201
判定される回線事業者 Wire and Wireless(公衆Wi-Fi事業者) xTom Japan(Protonの接続先)
ホスト名から分かること wi-fi.wi2.ne.jp = 使っているWi-Fiが特定できる 特定できない
DNSの問い合わせ先 ローカル/回線側のDNS 10.96.0.1(VPNトンネル内部)

ここで確認できたこと

  • 接続元の回線事業者が隠れる。 VPN OFFではホスト名から「wi2の公衆Wi-Fiを使っている」ことまで分かりましたが、VPN ONではProtonの接続先しか見えません
  • DNSがVPN内部で解決される。 これが重要です。DNSが回線側に漏れていると、接続先を暗号化しても「どのサイトを見たか」は回線事業者に伝わります。実測ではDNSの問い合わせ先が10.96.0.1というトンネル内部のアドレスになっており、外に漏れていませんでした
「VPNをつないでいるのにDNSだけ素通し」という製品は実際にあります。カフェや空港のWi-Fiで使う前提なら、ここが一番効く部分です。少なくとも私が試した範囲では、Proton VPNは期待通りに動いていました。

なお、これで確認できるのは「隠れているように見える」ところまでです。Protonのサーバー内部でログを取っているかどうかは、利用者側からは確認できません。そこは後述します。

確認できないこと、を正直に書く

検証していて一番はっきりしたのは、利用者から確認できる範囲には限界があるということです。

項目 利用者から確認できるか
IPアドレスが変わるか できる(今回実測した)
DNSが漏れていないか できる(今回実測した)
通信速度 できる(別記事で実測)
サーバー内でログを取っていないか できない
運営の資金源が説明通りか できない
当局から要請があったときの対応 できない

下3つについては、Protonが公表している情報を信じるかどうかという判断になります。判断材料としてProtonが挙げているのは、スイスに拠点があること、アプリのソースコードを公開していること、第三者による監査を受けていることなどです。

ただしこれらは私が検証した事実ではなく、Proton側の説明です。「有名だから安全」「オープンソースだから安全」と短絡せず、自分がどこまで許容できるかで決めるのが健全だと思います。

実際に使って分かった不利な事実

「危険ではない」という結論に寄せる前に、実測で出てきた都合の悪い結果も書いておきます。

速度は他社に負けた

同じ回線・同じ測定方法でNordVPNと比較したところ、日本サーバーの平均速度はProton VPN 159.1 Mbps に対しNordVPN 428.1 Mbpsでした。約2.7倍の差です。安全性とは別の話ですが、「Proton VPNは最速」という期待で選ぶと裏切られます。詳細はProton VPNの速度を実測【NordVPNと比較したら2.7倍の差がついた】にまとめました。

実質使えなかったサーバーがあった

ドイツのサーバーは2回測って6.9 Mbpsと8.6 Mbpsしか出ず、pingも通りませんでした。接続自体は成立するのに帯域が出ない状態です。全サーバーが均質ではありません。

韓国サーバーの出口IPが日本と判定された

韓国サーバーに接続したところ、出口IPが東京として判定されました。2回とも同じ結果です。韓国のIPアドレスが必要な用途では目的を果たせない可能性があります。この現象の詳細は速度実測の記事に記載しています。

これらは「危険」ではなく「期待と違う」の範疇です。ただし、こういう事実を伏せて安全性だけ語る記事は信用しない方がいいと思います。私も自分で測るまで知りませんでした。

安全に使うための設定

Proton VPNを使うなら、最低限やっておきたい設定があります。

  • キルスイッチを有効にする。 VPNが切れた瞬間に通信が素通しになるのを防ぎます。これを切っていると、接続が不安定な場所で意図せず生のIPが出ます
  • 自動接続をオンにする。 手動接続だと「つなぎ忘れ」が起きます。公衆Wi-Fiで使うなら特に重要です
  • 混雑度の低いサーバーを選ぶ。 速度が出ないと結局VPNを切ってしまうので、快適さは安全性に直結します
  • 接続後に出口IPを確認する。 「つないだつもり」を防ぐ一番確実な方法です

サーバーの選び方はProton VPN おすすめサーバーの選び方、接続できないときはProton VPN が接続できない時の原因と対処法を参照してください。

無料版から試したい場合は、無料版でできることとできないことをProton VPN 無料版の制限とは?にまとめています。

▶ Proton VPNを公式サイトで見る(無料版から試せます)

結論:どう判断すべきか

実測と公表情報を分けて整理すると、判断はこうなります。

観点 判断
VPNとして機能しているか している(IP・DNSとも隠れることを実測)
無料版があること自体が危険か 危険とは言えない(有料利用者が支える構造をProtonが公表)
ノーログは本当か 利用者側からは検証不能。公表情報を信じるかの判断になる
速度は速いか 速くない(NordVPNの約1/2.7)
全サーバーが使えるか いいえ(実質使えないサーバーがあった)

まとめると、「危険だから避けるべき」という根拠は見つかりませんでした。VPNとしての基本動作は実測で確認できています。

一方で、ノーログの真偽のように利用者からは永久に検証できない領域が残ります。これはProton VPNに限らずすべてのVPNに共通する構造的な限界です。「絶対に安全なVPN」は存在しないので、何のために使うのかで必要な水準を決めるのが現実的です。

  • 公衆Wi-Fiでの盗み見を防ぎたい → 十分に目的を果たせます
  • 速度を最優先したい → 他社の方が向いています
  • 国家レベルの追跡から身を守りたい → VPN単体では不十分です。用途に応じて別の手段を検討してください

よくある質問(FAQ)

Proton VPNは危険ですか?

実際に接続して検証した範囲では、危険と判断する根拠は見つかりませんでした。IPアドレスと接続元の回線事業者が隠れること、DNSがVPNトンネル内部で解決されて外に漏れないことを実測で確認しています。

無料版があるのはなぜですか?怪しくないですか?

Protonは有料プランの利用者が無料版を支える構造だと公表しています。ただしこれはProton側の説明であり、外部から会計を検証することはできません。無料VPN一般には通信ログの販売などのリスクがあるため、警戒すること自体は正しい姿勢です。

ノーログというのは本当ですか?

利用者側から検証する方法はありません。これはProton VPNに限らず、すべてのVPNに共通する構造的な限界です。スイス拠点であること、オープンソースであること、第三者監査を受けていることなど、Protonが公表している材料をどう評価するかの判断になります。

VPNをつなげば完全に匿名になりますか?

なりません。VPNが隠すのは接続元のIPアドレスと、回線事業者から見える通信内容です。ログイン中のサービスからは当然あなただと分かりますし、ブラウザの指紋情報などから追跡される可能性も残ります。

公衆Wi-Fiで使う価値はありますか?

あります。今回の検証では、VPN未接続だとホスト名から使用中の公衆Wi-Fiサービスまで特定できましたが、接続後は特定できなくなりました。キルスイッチと自動接続を有効にしておくとより確実です。

まとめ

実測をもとにした結論をまとめます。

  • VPNとしての基本動作は確認できた。 接続元の回線事業者が隠れ、DNSもトンネル内部で解決されていた
  • 無料版があること自体は危険の根拠にならない。 ただし無料VPN一般を警戒する姿勢は正しい
  • ノーログの真偽は利用者側から検証できない。 これはすべてのVPNに共通する限界
  • 速度はNordVPNに大きく劣り、実質使えないサーバーもあった。 安全性とは別の弱点として認識しておくべき

「危険かどうか」を心配して使わずにいるより、公衆Wi-Fiで無防備なまま使い続ける方がよほどリスクが高い、というのが検証を終えた率直な感想です。まずは無料版で、自分の環境で本当にIPが変わるか確かめてみるところから始めるのが確実だと思います。

▶ Proton VPNを無料で試す

この記事では「実測できたこと」と「公表情報を信じるかの話」を意図的に分けて書きました。VPNの安全性は、その線引きを曖昧にしたまま語られがちです。判断はご自身でしていただくのが一番だと思っています。

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