Proton VPNとは?実際に契約して速度・安全性・料金を検証しました

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Proton VPNは、スイスのProton社が提供するVPNサービスです。データ量無制限の無料版があるという珍しい特徴で知られています。

ただ「無料で使える」「安全」という説明だけでは、実際に使えるものなのか判断できません。そこで実際に契約し、日本と海外あわせて10台のサーバーで速度を実測し、IPとDNSが本当に隠れるかまで検証しました。

この記事はProton VPNの全体像をまとめたものです。速度・安全性・料金・使い方の要点を並べ、詳細はそれぞれの記事へつなぎます。

先に率直な結論を書いておきます。速度で選ぶならProton VPNは第一候補になりません。他社の方が速いという結果が出ました。それでも選ぶ理由がどこにあるのかを、数字を出しながら整理します。

検証条件:2026年7月25日、Proton VPN(Unlimitedプラン)を実際に契約。隔離したLinuxコンテナ内からOpenVPN(UDP)で接続し、速度はCloudflareの50MBダウンロード、遅延は8.8.8.8へのping20回平均で測定しました。VPN未接続の基準値は同一セッションで取得しています(固定回線・下り558.4Mbps)。料金は公式の日本語ページに表示される日本円の実額です。

Proton VPNとは何か

Proton VPNは、Proton MailやProton Driveと同じくスイスのProton AGが提供するVPNサービスです。通信を暗号化して中継することで、接続元のIPアドレスと通信内容を回線事業者から隠すのが役割です。

検証時点の規模は148か国・20,681台・191拠点でした。

他社と比べたときの特徴は3つです。

  • データ量無制限の無料版がある。 多くのVPNは無料版を提供しないか、月◯GBまでと制限をかけます
  • スイスに拠点がある。 EUや米国の開示要請が直接及ばない法域です
  • 他のProtonサービスと統合される。 Mail・Drive・Passとアカウントが共通です

Protonアカウントを1つ作れば、そのままVPNも使えます。VPN専用の登録は不要です。

Proton VPNとは何か

無料版が珍しい理由と、その制限

Proton VPNが語られるとき、必ず出てくるのが無料版です。データ量が無制限という点で、他社の無料版とは性質が違います。

ただし制限はあります。実際に管理画面で確認できた範囲では次の通りです。

  • 接続できる国とサーバーが限られる(日本には無料向けサーバーが2台ありました)
  • 同時接続は1台まで
  • NetShield(広告・トラッカーのブロック)やSecure Coreといった機能が使えない
  • ストリーミングの視聴は保証されない

日本の無料サーバー2台は、確認時点で混雑度が77%と79%でした。有料サーバーが18〜66%だったのと比べると、明らかに混み合っています。

この記事の速度実測は有料アカウントで行っています。有料には優先的な帯域が割り当てられるため、同じサーバーに無料アカウントで接続しても同じ速度は出ません。無料版の速度をここで断定するのは避けます。

無料版でできること・できないことの詳細はProton VPN 無料版の制限とは?有料版との違いを解説にまとめました。始め方はProton VPN の使い方【無料版の始め方・初期設定まで】で解説しています。

安全性:実際にIPとDNSは隠れるのか

VPNの基本動作が本当に働いているかを、公衆Wi-Fiから接続して確認しました。

項目 VPN OFF VPN ON
判定される回線事業者 公衆Wi-Fi事業者(特定できる) xTom Japan(Protonの接続先)
DNSの問い合わせ先 回線側のDNS 10.96.0.1(トンネル内部)

接続元の回線事業者が隠れることに加えて、DNSがVPNトンネルの中で解決されている点が重要です。DNSが外に漏れていると、通信を暗号化しても「どのサイトを見たか」は回線事業者に伝わってしまいます。

一方で、利用者側から確認できない領域も残ります。サーバー内でログを取っていないか、当局からの要請にどう対応しているかは、外から検証する方法がありません。ここはProtonの公表内容をどう評価するかの判断になります。

この線引きと、「危険」と言われる理由の検証はProton VPNは危険?実際に接続して「本当に隠れるか」を検証しましたで詳しく扱っています。

速度:正直に言って速くはない

日本5台・海外5台を同一条件で測定しました。基準値(VPN未接続)は558.4 Mbpsです。

接続先 下り速度 維持率 遅延
日本(最速のサーバー) 197.2 Mbps 35.3% 16.7ms
日本5台の平均 159.1 Mbps 28.5% 20.6ms
シンガポール 153.5 Mbps 27.5% 85.8ms
米国 94.4 Mbps 16.9% 145.0ms
英国 50.5 Mbps 9.0% 261.2ms
ドイツ 8.6 Mbps 1.5% 測定不能

他社と比べると差がある

同じ回線・同じ測定方法でNordVPNの日本サーバーを測ったところ、平均428.1 Mbps(維持率80.6%)でした。Proton VPNの159.1 Mbps(28.5%)に対し、約2.7倍の差です。

混雑度の違いを考慮して空いているサーバー同士で比べても、2.2倍の差が残りました。速度を最優先するならProton VPNは選択肢になりません。

ただし絶対値で見ると、日本サーバーの平均159.1 Mbpsは4K動画のストリーミング推奨帯域(25Mbps前後)を大きく上回ります。「他社より遅い」ことと「使えない」ことは別です。

測定条件を含む詳細はProton VPNの速度を実測【NordVPNと比較したら2.7倍の差がついた】、日本サーバーの掘り下げはProton VPNの日本サーバーを実測検証にあります。

速度:正直に言って速くはない

料金:日本円の実額

ドルからの換算ではなく、実際に表示される日本円で記載します。

プラン 月額 備考
Proton Free ¥0 データ量無制限。国とサーバーに制限あり
VPN Plus ¥1,249(通常)/¥374(24ヶ月契約) 更新時は12ヶ月ごとに¥10,488
Proton Unlimited ¥1,624(1ヶ月)/¥1,249(12ヶ月)/¥999(24ヶ月) VPN以外にMail・Drive・Passも含む

判断のポイントは、VPN以外のProtonサービスを使うかどうかです。

  • VPNだけが目的なら、VPN Plusの24ヶ月契約(月¥374)が圧倒的に安いです
  • メールやストレージも使うなら、Unlimitedの方が結果的に安くなります。VPN Plusは単体で年¥10,488かかるため、他のサービスと組み合わせると単品合計がUnlimitedを上回ります
24ヶ月プランの安い価格は最初の24ヶ月間だけです。更新後は通常価格に戻ります。総額で計算するときは更新後の金額も含めて考えてください。

Unlimitedとの損得計算はProton Unlimitedは元が取れる?実際に契約して損益計算した結果で検証しました。

▶ Proton VPNを公式サイトで見る(無料版から試せます)

料金:日本円の実額

使ってみて分かった注意点

実測を通じて出てきた、事前に知っておきたい点をまとめます。

  • サーバーによって速度が2.8倍違う。 日本サーバーだけでも70.8〜197.2 Mbpsの幅がありました。差は混雑度と対応しており、接続前に一覧で混雑度を確認できるのは実用的な利点です
  • 実質使えないサーバーがあった。 ドイツのサーバーは2回測って1桁Mbpsしか出ず、pingも通りませんでした。全サーバーが均質ではありません
  • 国名と実際の出口が一致しないことがある。 韓国サーバーに接続したところ、出口IPが東京と判定されました。特定の国のIPが必要な用途では、接続後に必ず確認してください
  • キルスイッチと自動接続は有効にしておく。 VPNが切れた瞬間に通信が素通しになるのを防げます

接続できないときの対処はProton VPN が接続できない時の原因と対処法、サーバーの選び方はProton VPN おすすめサーバーの選び方にまとめています。Androidでの設定はProton VPN の設定方法【Android版】を参照してください。

結論:どんな人に向くか

実測結果をもとに整理します。

あなたの目的 判断
無料でVPNを試したい 向いている。データ量無制限の無料版は貴重
公衆Wi-Fiでの盗み見を防ぎたい 向いている。IPとDNSが隠れることを実測で確認
メールやストレージもまとめたい 向いている。Unlimitedで全部入る
とにかく速度がほしい 向いていない。他社の方が速い
特定の国のIPが確実に必要 接続後に出口IPの確認が必要

Proton VPNの価値は速度ではありません。無料版の存在、スイス拠点、他サービスとの統合にあります。そこに納得できるかどうかが判断の分かれ目です。

幸い、判断のコストは低いです。無料版があるので、自分の環境で実際に速度とIPを確かめてから有料にするか決められます。

よくある質問(FAQ)

Proton VPNは無料で使えますか?

使えます。データ量が無制限という点で他社の無料版と異なります。ただし接続できる国とサーバーが限られ、同時接続は1台まで、NetShieldなどの機能は使えません。

Proton VPNの速度はどれくらいですか?

VPN未接続で558.4Mbpsの回線から測定した結果、日本サーバー5台の平均は159.1Mbps(維持率28.5%)でした。海外はシンガポール153.5、米国94.4、英国50.5Mbpsです。

他社と比べて速いですか?

速くありません。同じ回線・同じ方法でNordVPNの日本サーバーを測ると平均428.1Mbpsで、Proton VPNの約2.7倍でした。速度を最優先するなら他社が向いています。

本当にIPアドレスは隠れますか?

実測では隠れました。接続元の回線事業者が特定できなくなり、DNSの問い合わせもVPNトンネル内部で解決されていました。ただしサーバー内でのログ保存の有無は利用者側から検証できません。

料金はいくらですか?

2026年7月時点で、VPN Plusが通常月¥1,249、24ヶ月契約で月¥374です。Mail・Drive・Passも含むProton Unlimitedは1ヶ月¥1,624、12ヶ月¥1,249、24ヶ月¥999です。

まとめ

実際に契約して検証した結論をまとめます。

  • 規模は148か国・20,681台。データ量無制限の無料版があるのが最大の特徴
  • 日本サーバーの実測は平均159.1 Mbps。サーバーによって70.8〜197.2 Mbpsと2.8倍の幅がある
  • NordVPNには速度で2.7倍負けた。 速度最優先なら他社を選ぶべき
  • IPとDNSが隠れることは実測で確認。ただしノーログの真偽は利用者側から検証できない
  • 料金はVPN単体なら24ヶ月契約で月¥374、他サービスも使うならUnlimitedが有利

「速いVPN」を探しているならProton VPNは外れます。一方で「無料で試せて、公衆Wi-Fiで安心して使えて、必要ならメールやストレージまでまとめられる」という条件なら、有力な選択肢です。無料版があるので、迷うより先に自分の環境で試してみるのが確実です。

▶ Proton VPNを無料で試す

紹介している立場で「速度は他社に負けた」と書くのは気が引けますが、測った以上そのまま出します。数字を伏せて勧めても、実際に使えば分かってしまうことです。判断材料を全部出したうえで選んでもらうのが結局はお互いのためだと思っています。

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