Signalとは?LINEから乗り換える前に知っておくべきこと【日本での現実も含めて】

この記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)を含みます。リンク経由で契約された場合、当サイトに報酬が発生することがあります。ただし記事の内容は実際に検証した結果に基づいており、報酬の有無で評価を変えることはしていません。なおSignalは完全無料の非営利サービスで、紹介プログラムそのものが存在しません。当サイトがSignalを紹介して得るものはありません。

Signal(シグナル)は、非営利団体が運営する完全無料のメッセンジャーアプリです。LINEやWhatsAppと同じように使えて、広告もトラッキングもありません。

公式サイトに、この手のサービスとしては珍しい一文があります。

「私たちは大手IT企業の傘下ではありませんし、どこかの企業に買収されることもありません」

脱ビッグテックという観点では、これが本質です。ただし日本で使うには、避けて通れない現実的な壁があります。そこも含めて書きます。

先に結論を書くと、Signalの技術的な優位は明確です。問題は「相手がSignalを使っていないと意味がない」という一点に尽きます。

検証条件:2026年7月26日に、Signal公式の日本語サイト(signal.org/ja)と公式サポートの「電話番号のプライバシーとユーザーネーム」のページ、およびLINEヤフー株式会社の公式サイト(プライバシー&セキュリティ、透明性レポート、LINE暗号化状況レポートの各ページ)を実際に開いて記載内容を確認しました。この記事で引用する内容はすべて、その時点で各社が公開していたものです。

Signalが他と決定的に違う点:会社の構造

機能の話の前に、運営の仕組みから入ります。ここがSignalの本質だからです。

Signal公式の日本語サイトには、こう書かれていました。

「Signal は独立非営利団体です。私たちは大手 IT 企業の傘下ではありませんし、どこかの企業に買収されることもありません。 Signal の開発は、皆さまからの支援や寄付によって支えられています。」
― Signal公式サイト(日本語)より

あわせて、こうも明記されています。

「Signal には、広告も、アフィリエイトマーケティングも、不気味なトラッキングもありません。」
― Signal公式サイト(日本語)より

なぜこれが重要か

無料のメッセンジャーには、必ず収益源があります。広告か、データか、有料機能か、親会社の戦略上の必要性か。そのどれかが、利用者の情報の扱い方を決めます。

Signalは寄付で運営されているため、この構造がありません。「儲ける必要がないから、データを使う理由もない」という設計です。

当サイトで扱ってきた他のサービスと比べても、ここまで割り切っている例は珍しいです。Protonも非営利財団が筆頭株主ですが、有料プランで収益を上げています。Signalは有料プラン自体が存在しません。

暗号化について

公式の記載はこうです。

「オープンソースの Signal Protocol を利用した最先端のエンドツーエンド暗号化により、会話の安全性を確保します。Signal の運営サイドを含む他の誰も、あなたのメッセージを盗み読んだり通話を傍受したりすることはできません。プライバシーはオプション設定ではありません。Signal では、すべてのメッセージと通話が常に暗号化されます。」
― Signal公式サイト(日本語)より

「オプション設定ではない」「常に」という部分が効いています。設定を確認する必要も、オンにし忘れる心配もありません。

電話番号の扱い:ここは大きく改善されています

Signalの弱点として長く指摘されてきたのが「電話番号が必要」という点でした。ここは仕様が変わっています。

公式サポートの記載を確認しました。

項目 現在の仕様
電話番号の表示 既定で他のユーザーには表示されない
つながり方 電話番号の代わりにユーザーネームを使える
電話番号での検索 されないように設定できる
例外 すでにあなたの電話番号を連絡先に保存している人には、設定に関わらず表示される

公式にはこう書かれています。

「新しいデフォルトでは、あなたの電話番号はSignal内の誰にも表示されなくなります。ただし、あなたの電話番号を携帯電話の連絡先に保存している人(以前からあなたの電話番号を知っている人)には、設定に関わらず、引き続きあなたの電話番号が表示されます。」
― Signal公式サポートより

つまり「新しく知り合う相手には番号を渡さずに済む」という改善であって、すでに番号を知っている相手から隠せるわけではありません。ここは正確に理解しておく必要があります。

登録には電話番号が要る

ユーザーネームでつながることはできますが、アカウントの登録には電話番号が必要です。完全に匿名で始められるわけではありません。

この設計をどう評価するかは分かれます。スパムアカウントの大量生成を防げる一方、電話番号を持たない人は使えません。

LINEと比べる:公開されている情報で確認した

日本で「メッセンジャーを乗り換える」と言えば、相手はLINEです。ただし公平に扱うため、私が実際に確認できた公開情報だけを並べます。

LINEヤフーが公開しているもの

LINEヤフー株式会社の公式サイトを確認したところ、次の情報が公開されていました。

  • 捜査機関等からのユーザー情報開示要請に関する透明性レポート
  • LINE暗号化状況レポート(2017年度〜2022年度の6本)
  • 不正アクセスによる情報漏えいへの再発防止策および進捗状況
  • グローバルなデータガバナンスに関する特別委員会

透明性レポートのページには、次のように明記されています。

「LINEヤフーは、原則としてご本人の同意がない限り、第三者にユーザーの情報を提供することはありません。(中略)国家機関による盗聴や検閲等、ユーザーの人権を不当に脅かす行為に対応することも一切ありません。」

「その上で、LINEヤフーが提供するサービスを使った犯罪の被疑者の検挙や被害の軽減、人命保護、犯罪抑止に対応するのは、多くの利用者を抱えるリーディングインターネットカンパニーとしての責務だと私たちは考えており、」
― LINEヤフー公式「透明性レポート」ページより

2つの違いを並べる

Signal LINE
運営 非営利団体(寄付) 上場企業(LINEヤフー)
料金 完全無料
(有料プランなし)
無料+有料サービス
広告 なし あり
暗号化についての表現 「すべてのメッセージと通話が常に暗号化」 「暗号化状況レポート」で適用状況を報告
暗号化レポートの最新 ― 2022年度(以降は未公開)
捜査機関への対応 ― 透明性レポートを公開
日本での利用者数 少ない 圧倒的に多い
誤解のないように書きます。LINEが危険だという話ではありません。透明性レポートを公開し、盗聴や検閲に応じないと明言している点は評価すべきです。
ただSignalが「常に暗号化される」と言い切れるのに対し、LINEは適用状況を年次で報告する形をとっていたという違いは、事実として存在します。そしてその報告は2022年度で止まっています。この差をどう見るかは、読む人の判断だと思います。

日本で使う際の、避けられない壁

ここが本題です。技術がどれだけ優れていても、メッセンジャーは相手がいないと成立しません。

状況 Signalで解決するか
特定の相手と機密性の高い話をしたい 解決する
家族・パートナーとの連絡を移したい 解決する(相手の同意があれば)
友人全員との連絡を移したい ほぼ不可能
学校・職場のグループ 現実的でない
店舗の予約・公式アカウント 代替なし

日本のLINEは、単なるメッセンジャーではなく生活インフラになっています。学校の連絡、職場のグループ、店の予約、決済。ここを全部移すのは非現実的です。

現実的な使い方

私が勧める進め方はこうです。

  • LINEはやめない。 インフラとして使い続ける
  • 「見られたら困る話」だけSignalに分ける。 家族、パートナー、仕事の機密、健康の相談
  • 相手は1〜2人から始める。 全員を説得しようとしない
これは当サイトが繰り返し書いている考え方と同じです。脱ビッグテックは「全部やめる」ことではなく、「重要なものだけ別の場所に移す」ことです。全部やろうとすると必ず折れます。

相手を誘うときのコツ

「プライバシーが」と説明すると、たいてい引かれます。実際に効くのは次のような入口です。

  • 「広告が出ないから見やすい」
  • 「消えるメッセージが便利」(時間で自動削除される機能があります)
  • 「パソコンでも使える」(Windows・Mac・Linux版があります)

始め方と、対応環境

公式サイトに記載されていた対応環境です。

種別 対応
スマートフォン Android / iPhone・iPad
パソコン Windows / Mac / Linux
日本語UI 対応(公式サイトも日本語)
料金 完全無料

手順

  1. スマホにSignalアプリを入れる
  2. 電話番号で登録する
  3. 設定 → プライバシー → 電話番号 で、電話番号の表示と検索の設定を確認する
  4. 必要ならユーザーネームを作る
  5. パソコンでも使うなら、デスクトップ版をスマホと連携させる

公式サポートによると、電話番号のプライバシー設定は「設定 → プライバシー → 電話番号」から管理できます。ここは登録直後に一度見ておくことをおすすめします。

送受信できるのはテキストだけではありません。公式によると、音声メッセージ、写真、動画、GIF、ファイルの共有、音声通話・ビデオ通話、グループチャット、ステッカーまで揃っています。「機能が足りなくて戻る」ということは、まず起きません。

メッセージの次に来るもの

Signalに移すと、ひとつ気づくことがあります。

会話は守れても、他のものは何も変わっていないということです。

データの種類 Signalで守れるか
友人・家族との会話 守れる
メール 守れない
クラウドに置いたファイル 守れない
閲覧履歴 守れない
保存したパスワード 守れない

特にメールは、契約・請求・医療・行政・仕事のやり取りが集まる場所です。会話よりも記録として重く、しかも長期間残ります。

当サイトでは、何から手を付けるべきかを脱Google完全ロードマップに整理しました。順番を間違えると必ず折れるので、そちらもあわせてどうぞ。

ブラウザから始めたい場合はBraveブラウザとは?、メールの実態についてはGmailはGoogleに読まれている?にまとめています。

▶ メールも移すなら:Proton Mailを無料で作る

よくある質問(FAQ)

Signalは無料ですか?

完全無料です。有料プランそのものが存在しません。運営は独立非営利団体で、公式サイトに「大手IT企業の傘下ではありませんし、どこかの企業に買収されることもありません」「開発は皆さまからの支援や寄付によって支えられています」と明記されています。広告もトラッキングもありません。

電話番号を知られずに使えますか?

新しく知り合う相手には知られずに済みます。既定では電話番号がSignal内の誰にも表示されず、ユーザーネームでつながれます。ただし公式が明記しているとおり、すでにあなたの電話番号を連絡先に保存している人には、設定に関わらず表示され続けます。また登録そのものには電話番号が必要です。

LINEと比べてどちらが安全ですか?

公開情報から確認できる違いを並べると、Signalは「すべてのメッセージと通話が常に暗号化される」と明記しているのに対し、LINEは「LINE暗号化状況レポート」で適用状況を年次報告する形をとっていました。なおそのレポートは2017年度から2022年度までの6本で、以降は公開されていません。ただしLINEヤフーは捜査機関への対応について透明性レポートを公開し、盗聴や検閲には一切応じないと明言しています。

LINEをやめる必要がありますか?

ありません。日本ではLINEが生活インフラになっており、学校や職場の連絡、店舗の予約まで含めて全部移すのは非現実的です。現実的なのは「LINEは使い続けて、見られたら困る話だけSignalに分ける」という使い分けです。

パソコンでも使えますか?

使えます。公式サイトの記載によるとWindows・Mac・Linuxに対応しています。スマホと連携させて使う形です。LINEと違い、Linux版があるのも特徴です。

相手がSignalを使っていない場合はどうなりますか?

やり取りできません。ここがメッセンジャーの本質的な制約で、Signalの技術がどれだけ優れていても変わりません。まず家族やパートナーなど1〜2人から始めて、必要な相手だけ誘うのが現実的です。全員を説得しようとすると挫折します。

まとめ

公式サイトを確認した結果をまとめます。

  • Signalは非営利団体が運営する完全無料のメッセンジャーです。 有料プランも広告もありません
  • 「大手IT企業の傘下ではなく、買収されることもない」と公式に明記されています。 ここが構造的な強みです
  • すべてのメッセージと通話が常に暗号化されます。 設定でオンにする必要がありません
  • 電話番号は既定で他のユーザーに表示されません。 ただし既に番号を知っている相手には表示され続けます
  • Windows・Mac・Linux版があります。 日本語UIにも対応しています
  • 最大の壁は「相手がいるかどうか」。 技術ではなく普及率の問題です

LINEをやめる必要はありません。日本ではインフラとして機能しているので、無理に移すと生活が回らなくなります。
現実的なのは「見られたら困る話だけSignalに分ける」という使い分けです。家族やパートナーとの1対1から始めれば、説得のコストもほとんどかかりません。

この記事は2026年7月26日にSignal公式の日本語サイトとサポートページ、およびLINEヤフー株式会社の公式サイトを確認して書いています。LINEについては、私が実際に確認できた公開情報のみを記載しました。暗号化の内部仕様まで検証したものではありません。またSignalには紹介プログラムが存在せず、当サイトがSignalを紹介して得るものはありません。

関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました