Thunderbirdとは?永久無料のメールソフトと、新サービス「Thundermail」の中身

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Thunderbird(サンダーバード)は、Mozillaファミリーが開発している永久無料のメールソフトです。20年以上使われ続けている定番で、Windows・Mac・Linuxのすべてで動きます。

公式サイトに、いま読むと重みのある一文があります。

「個人データを収集したり、受信トレイに広告を販売したり、プライベートな会話で密かにAIを訓練したりすることはありません」

そして調べていて分かったのですが、Thunderbirdは現在、独自のメールサービス「Thundermail」を準備中です。まだ日本語の情報がほとんどないので、公式サイトで確認できた内容をまとめます。

先に結論を書くと、Thundermailは月$6でメール30GB・アドレス15個・独自ドメイン3つ。データはドイツにホスティングされ、IMAPとSMTPに直接対応します。ただし現時点ではまだベータで、ウェイトリスト登録制です。

検証条件:2026年7月26日に、Thunderbird公式の日本語サイト(thunderbird.net/ja)およびThunderbird Pro/Thundermailの公式サイト(tb.pro)を実際に開き、料金・機能・FAQの記載内容を確認しました。比較対象のProton Mailの料金はProton公式の料金ページで確認しています。なおThunderbirdはインストールしておらず、Thundermailのウェイトリストにも登録していません。公開情報の確認にとどまります。

Thunderbirdとは何か

位置づけを整理します。

項目 内容
料金 永久無料(寄付で運営)
開発元 MZLA Technologies Corporation
(非営利Mozilla.orgの完全子会社)
対応OS Windows / Mac / Linux
スマホ モバイル版が登場
ライセンス オープンソース
日本語 対応(公式サイトも日本語)
できること メール・カレンダー・連絡先を1つのアプリで管理

「AIの訓練に使わない」と明記している

公式サイトの記載を引用します。

「Thunderbirdはユーザーの寄付によって運営されています。個人データを収集したり、受信トレイに広告を販売したり、プライベートな会話で密かにAIを訓練したりすることはありません。Thunderbirdはオープンソースです。」
― Thunderbird公式サイト(日本語)より

「プライベートな会話でAIを訓練しない」という一文をわざわざ書いているのが、いまの時代らしいところです。

ただし正確に理解しておく必要があります。Thunderbirdはメールソフトであって、メールサービスではありません。Gmailのアカウントを設定すれば、メールはGmailのサーバーに置かれたままです。

つまりThunderbirdを使ってもGmailから離れたことにはなりません。「ブラウザでGmailを開く」のが「Thunderbirdで開く」に変わるだけです。ここを勘違いすると、脱ビッグテックの効果を過大評価してしまいます。

それでも意味があること

  • 複数のアカウントを1つの受信箱にまとめられる。 GmailもProtonも仕事用も、全部同じ画面で見られます
  • ブラウザのタブを消費しない。 公式も「ブラウザのタブ検索にかける無駄な時間を省きましょう」と書いています
  • ローカルに保存される。 サービスが止まっても手元のメールは残ります
  • 広告が表示されない。 Gmailの受信箱に出るプロモーションが消えます
Thunderbirdとは何か

【新情報】Thundermail:Thunderbird自身のメールサービス

ここからが本題です。

Thunderbirdは現在、自社のメールサービス「Thundermail」を準備しています。公式サイト(tb.pro)で確認できた内容を整理します。

提供状況

「Thunderbird Proは現在ベータ段階で、ウェイトリストに登録した方へ順次提供しています。フルローンチは2026年を予定しています。」
― Thunderbird Pro公式FAQより(要約)

つまり、まだ誰でも使える状態ではありません。公式サイトのボタンも「JOIN WAITLIST(ウェイトリストに登録)」になっています。

料金と内容

Early Bird Plan 内容
料金 月 $6(年払い・約¥900)
メール容量 30 GB
Send(ファイル送信)容量 60 GB
受信箱 / アドレス 1受信箱 / 15アドレス
独自ドメイン 3つ

単体のメールサービスではなく、3つのサービスがセットになっています。

  • Thundermail … メール本体
  • Appointment … 予約リンクを共有して相手に日程を選んでもらう機能
  • Send … エンドツーエンド暗号化された大容量ファイル送信

技術的な中身

項目 公式の記載
対応プロトコル IMAP・SMTPに加えてJMAPに対応
サーバー基盤 Stalwart のメールサーバーアーキテクチャ
データの所在 ドイツ
アドレス @thundermail.com / @tb.pro / 独自ドメイン
他のメールソフトで使えるか 使える(Thunderbird専用ではない)

公式FAQには、こう書かれています。

「Thunderbirdの使用をおすすめしますが、Thundermailのアカウントはどんなデバイスやメールソフトでも使えます。」
「オープンスタンダードで構築されているので、ロックインされることはありません。」
― Thunderbird Pro公式サイトより(要約)

「囲い込まない」ことを明示的に約束しているのは、なかなか珍しい姿勢です。

【新情報】Thundermail:Thunderbird自身のメールサービス

Thundermail と Proton Mail を並べる

同じ「プライバシー重視のメール」でも、性格がはっきり違います。

Thundermail Proton Mail Plus
提供状況 ベータ(ウェイトリスト) 提供中
月額 $6(約¥900) ¥499
メール容量 30 GB 15 GB
アドレス 15個 10個
独自ドメイン 3つ 1つ
拠点 ドイツ スイス
IMAP / SMTP 直接対応(+JMAP) Bridgeが必要(有料)
本文の暗号化 明示なし ゼロアクセス暗号化
無料プラン ― あり(1GB)

差が出るのは下から2行

①メールソフトとの接続

ThundermailはIMAPとSMTPに直接対応します。Outlookでも、Apple メールでも、もちろんThunderbirdでも、普通に設定するだけで使えます。

一方Proton Mailは、メールソフトで使うためにBridgeという中継ソフトを常時起動する必要があり、しかも有料プラン限定です。この違いは、メールソフト派にとってかなり大きいです。詳しくはProton Mail Bridgeとは?に書きました。

②本文の暗号化についての表現

ここは慎重に書きます。Thundermailの公式サイトには「広告なし」「データを売らない」と書かれていますが、「事業者が本文を読めない」という趣旨の記載は見当たりませんでした。エンドツーエンド暗号化が明記されているのは、大容量ファイル送信の「Send」機能についてだけです。

当サイトで繰り返している論点と同じです。「読まない」と決めているのと、「読めない」のは別です。
Thundermailは前者、Proton Mailは後者を掲げています。どちらが優れているという話ではなく、設計の思想が違うということです。ベータ段階なので、正式版で説明が変わる可能性もあります。

選び方

  • いますぐ使いたい → Proton Mail。 Thundermailはまだウェイトリストです
  • OutlookやApple メールで使いたい → Thundermail。 Bridgeが要りません
  • 事業者にも読めない状態にしたい → Proton Mail
  • 容量とアドレス数を重視 → Thundermail。 30GB・15アドレス・3ドメイン
  • まず無料で試したい → Proton Mail。 無料プランがあります

いまThunderbirdを使うなら:組み合わせ方

Thundermailを待たなくても、Thunderbirdは今日から使えます。

①Gmailをそのまま設定する

いちばん簡単な使い方です。ただし前述のとおり、メールはGmailのサーバーに置かれたままなので、プライバシー面では何も変わりません。得られるのは「広告が消える」「タブを消費しない」「複数アカウントをまとめられる」という利便性です。

②Proton Mailを設定する

Bridgeを入れれば、Thunderbirdで Proton Mail を送受信できます。ただし条件があります。

  • 有料プランが必要(無料版ではBridgeが使えません)
  • Bridgeをパソコンで常時起動しておく必要がある
  • メールソフト側は 127.0.0.1(自分のパソコン)に接続する形になります

実際に導入した手順と設定値はProton Mail Bridgeとは?実際に導入して分かった仕組みと設定値、送信まわりはProton MailのSMTP送信設定にまとめています。

③両方を1つの受信箱にまとめる

Thunderbirdの統合受信トレイを使えば、GmailもProton Mailも仕事用も同じ画面で見られます。

これは移行期にとても有効です。当サイトでは「Gmailは転送設定を入れた受信箱として残し、重要な相手から順に新しいアドレスへ移す」という進め方を勧めていますが、その期間は2つのアドレスを併用することになります。Thunderbirdがあると、その併用が苦になりません。

移す順番については脱Google完全ロードマップに整理しました。メールは最後にやるべき工程です。唯一「相手に知らせる必要がある」=取り消せない作業だからです。

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よくある質問(FAQ)

Thunderbirdは無料ですか?

永久無料です。公式サイトに「永久無料です」と明記されており、運営はユーザーからの寄付で成り立っています。開発元は非営利Mozilla.orgの完全子会社であるMZLA Technologies Corporationです。

ThunderbirdにすればGmailから離れられますか?

離れられません。Thunderbirdはメールソフトであって、メールサービスではないためです。Gmailのアカウントを設定した場合、メールはGmailのサーバーに置かれたままです。得られるのは「広告が消える」「複数アカウントを1つの受信箱でまとめられる」といった利便性で、データの置き場所は変わりません。

Thundermailとは何ですか?

Thunderbirdが準備している独自のメールサービスです。現在ベータ段階で、ウェイトリストに登録した人へ順次提供されており、公式によるとフルローンチは2026年の予定です。Early Bird Planは月$6(年払い)で、メール30GB・15アドレス・独自ドメイン3つが含まれます。

ThundermailはIMAPで使えますか?

使えます。公式FAQによると、従来のIMAP・SMTPに加えてJMAPにも対応しています。またThunderbird専用ではなく「どんなデバイスやメールソフトでも使える」と明記されており、オープンスタンダードで構築されているためロックインされないと説明されています。

Thundermailのデータはどこに保管されますか?

公式FAQによると、ドイツにあるインフラでホスティングされます。

ThundermailとProton Mail、どちらを選ぶべきですか?

いますぐ使いたいならProton Mailです。Thundermailはまだベータでウェイトリスト制のためです。OutlookやApple メールで使いたいならThundermailが有利で、ProtonのようにBridgeを常時起動する必要がありません。一方、事業者にも本文を読めない状態にしたいならProton Mailです。Thundermailの公式サイトには「広告なし」「データを売らない」とありますが、本文が事業者に読めない設計だという記載は見当たりませんでした。

ThunderbirdでProton Mailは使えますか?

使えますが、Proton Mail Bridgeというソフトが必要で、有料プラン限定です。またBridgeをパソコンで常時起動しておく必要があります。無料版のProton Mailはメールソフトで受信できません。

まとめ

公式サイトを確認した結果をまとめます。

  • Thunderbirdは永久無料。 寄付で運営され、非営利Mozilla.orgの子会社が開発しています
  • 「プライベートな会話でAIを訓練しない」と明記されています。 いまの時代に重い一文です
  • ただしメールソフトであって、メールサービスではありません。 Gmailを設定してもGmailから離れたことにはなりません
  • Thundermailが準備中です。 ベータ段階で、フルローンチは2026年の予定
  • 月$6で30GB・15アドレス・独自ドメイン3つ。 データはドイツ、IMAP・SMTP・JMAPに直接対応します
  • 「ロックインしない」と公式が明言。 他のメールソフトでも使えます
  • ただし本文の暗号化については明示がありません。 E2E暗号化が明記されているのはファイル送信のSend機能だけです

Thundermailは、「メールソフトで普通に使えるプライバシー重視のメール」という、これまで空いていた位置を狙っています。Proton MailがBridgeを必要とする点を考えると、うまくいけば魅力的な選択肢になります。

ただしいま使えるものではありません。待っている間にできることを進めたいなら、無料で試せる選択肢から始めるのが現実的です。

▶ Proton Mailの無料アカウントを作る

この記事は2026年7月26日にThunderbird公式の日本語サイトとThunderbird Pro公式サイト(tb.pro)を確認して書いています。Thunderbirdはインストールしておらず、Thundermailのウェイトリストにも登録していません。Thundermailはベータ段階のため、正式版で料金・仕様・説明が変わる可能性があります。円換算は1ドル150円と置いた目安です。当サイトはThunderbirdの紹介プログラムには参加していません。

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