Cryptomatorとは?Googleドライブを使ったまま中身を隠す方法と、その限界

この記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)を含みます。リンク経由で契約された場合、当サイトに報酬が発生することがあります。ただし記事の内容は実際に契約・検証した結果に基づいており、報酬の有無で評価を変えることはしていません。なお当サイトはCryptomatorの紹介プログラムには参加していません。

Cryptomator(クリプトメーター)は、いま使っているクラウドストレージに、あとから暗号化を足すツールです。

GoogleドライブやDropboxをそのまま使いながら、中身だけをGoogleにもDropboxにも読めない状態にできます。クラウドを乗り換えずに済むというのが最大の強みです。

ただし公式資料を確認したところ、知らずに導入すると困る制約が複数ありました。特に「共有」と「スマホの料金」です。

先に書いておくと、デスクトップは完全無料ですが、スマホで使うにはAndroidとiOSそれぞれに€29.99の買い切り課金が必要でした。両方使うなら約1万円です。

検証条件:2026年7月26日に、Cryptomator公式サイトのトップページ・料金ページ、および公式ドキュメントの「Supported Cloud Services」ページを実際に開いて記載内容を確認しました。Proton Drive側の料金はProton公式の料金ページで確認しています。なおCryptomatorのアプリはインストールしておらず、公開情報の確認にとどまります。円換算は1ユーロ170円と置いた目安です。

Cryptomatorは何をするツールか

仕組みはシンプルです。

  1. クラウドの中に「vault(金庫)」というフォルダを作り、パスワードを設定する
  2. Cryptomatorがそれを仮想ドライブとしてパソコンにマウントする
  3. そのドライブにファイルを置くと、自動的に暗号化されてクラウドに保存される

公式の説明では「USBメモリのように扱える」と表現されています。アカウント登録も、鍵の生成も、設定も不要とされており、パスワードを決めるだけで始められます。

ファイル名まで暗号化される

ここが重要な点です。公式によると、AES 256ビットでファイルの中身とファイル名の両方を暗号化します。

「もし誰かがあなたのクラウド内のフォルダを覗いても、データについて何も推測できません。」
― Cryptomator公式サイトより

ファイル名が暗号化されるのは大きな意味があります。「2026年_診断書.pdf」「離婚協議書_最終版.docx」といったファイル名は、中身を見なくても十分に情報を漏らします。そこも隠れるということです。

なぜこういうツールが必要なのか

公式の説明が的確なので引用します。

「ほとんどのクラウド事業者は、転送中しかデータを暗号化しないか、復号のための鍵を自分たちで保持しています。これらの鍵は盗まれたり、コピーされたり、悪用されたりする可能性があります。」
― Cryptomator公式サイトより(要約)

これは当サイトで繰り返し出てくる論点と同じです。事業者が「読まない」と決めているのと、「読めない」のは別という話です。Cryptomatorは、その差を利用者側の手で埋める道具だと言えます。

料金:デスクトップは無料、スマホは買い切り

公式の料金ページに記載されていた内容です。

項目 料金
デスクトップ(個人利用) 無料(永久・無制限のvault)
Android フルアクセス €29.99(約¥5,100・買い切り)
iOS フルアクセス €29.99(約¥5,100・買い切り)
デスクトップのダークモード €29.99〜(任意)
チーム向け(Hub Standard) 1席あたり月€12.00(税別)
チーム向け(Hub Community) 無料(5席・セルフホストのみ)

公式には「プラットフォームごとに個別の買い切り購入」と明記されています。つまりAndroidとiPhoneの両方で使いたい場合は、€29.99×2=約1万円がかかります。

これをどう評価するか

  • 買い切りなのでサブスクではありません。 長く使うほど割安になります
  • パソコンだけで完結するなら完全に無料です
  • ただしスマホから中身を見たい人は、最初から1万円前後を見込んでおく必要があります
比較のために書くと、Proton Driveは500GB付きのUnlimitedが月¥1,249です。Cryptomatorの買い切り約1万円は、Proton Unlimitedの8か月分にあたります。ただしCryptomatorはクラウドの容量を含まないので、別途クラウド側の契約が必要です。単純比較はできません。

料金:デスクトップは無料、スマホは買い切り

使えるクラウドと、使い方の違い

公式ドキュメントの対応表を確認しました。

スマホアプリから直接つながるもの

サービス Android iOS
Dropbox ○ ○
Google ドライブ ○ ○
OneDrive ○ ○
pCloud ○ ○
S3 ○ ○
Box.com ― ○
iCloud ― ○
端末のローカルストレージ ○ ○

このほかWebDAV経由で、Nextcloud、ownCloud、Koofr、kDrive、mailbox.org など多数のサービスに対応しています。

デスクトップは仕組みが違う

ここは見落としやすい点です。公式ドキュメントにこう書かれています。

「デスクトップ版のCryptomatorを使う場合、クラウド上のvaultにアクセスするには、そのクラウドサービスの同期ソフトをパソコンにインストールしておく必要があります。」
― Cryptomator公式ドキュメントより

つまりパソコンでは、Cryptomatorがクラウドに直接つながるのではありません。Googleドライブの同期アプリなどがローカルに作ったフォルダを、Cryptomatorが暗号化する形です。

Protonは対応表に載っていない

ネイティブ対応・WebDAV対応・非対応のいずれのリストにも、Protonの名前は出てきませんでした。

ただしこれは問題ではありません。Proton Driveは最初から暗号化されているため、Cryptomatorを重ねる意味がないからです。用途が重なりません。

できないこと(導入前に必ず確認)

強力なツールですが、暗号化と引き換えに失うものがあります。

やりたいこと Cryptomator
他人にファイルを共有する 実質できない(相手にもCryptomatorとパスワードが必要)
クラウドの画面でプレビューする できない(暗号文しか見えない)
クラウドの全文検索を使う できない
スマホのアプリから軽く開く 買い切り課金が必要
容量を増やす クラウド側の契約が別途必要
今のクラウドを使い続ける できる(最大の利点)

いちばん効くのは共有です。暗号化されたvaultは、パスワードを知っている人しか開けません。「取引先にリンクで送る」といった使い方はできなくなります。

現実的な運用は「全部をvaultに入れない」ことだと思います。共有する予定のないもの、見られたら困るものだけvaultに入れて、それ以外は普通にクラウドへ置く。この使い分けなら不便はほとんど出ません。

Proton Driveとの使い分け

どちらも「クラウドの中身を事業者に読ませない」ための手段ですが、アプローチが正反対です。

Cryptomator Proton Drive
考え方 今のクラウドに暗号化を足す 最初から暗号化済みのクラウドに移る
クラウドの乗り換え 不要 必要
暗号化したまま共有 実質できない できる
パソコンでの料金 無料 無料プランあり
スマホでの料金 €29.99×プラットフォーム 無料
容量 クラウド側の契約次第 無料5GB / Unlimited 500GB
アカウント 不要 Protonアカウントが必要
ファイル名の暗号化 ○ ○

選び方

  • Googleドライブを手放せない事情がある → Cryptomator。 仕事の共有フォルダがGoogleにある、家族と共有している、といった場合です
  • 一部のファイルだけ隠したい → Cryptomator。 パソコンだけなら無料で始められます
  • 共有もしたい → Proton Drive。 暗号化したままリンク共有できます
  • スマホでも普通に使いたい → Proton Drive。 追加課金がありません
  • メールごと脱Googleしたい → Proton。 1つのアカウントでまとまります
両方を併用する必要はありません。Proton Driveの中でCryptomatorを使っても、暗号化が二重になるだけで利点はほぼありません。むしろ共有やプレビューができなくなる分、不便が増えます。

Proton Drive自体の実力はProton Driveとは?実際に使って分かった実力、Googleドライブからの移行手順はGoogleドライブからProton Driveに移行する方法にまとめています。

▶ Proton Driveを無料で試す(5GB・クレジットカード不要)

よくある質問(FAQ)

Cryptomatorは無料で使えますか?

パソコン(デスクトップ)では個人利用なら無料で、作れるvaultの数にも制限がありません。ただしスマホで使うには、Androidが€29.99、iOSが€29.99の買い切り購入が必要です。プラットフォームごとに別購入なので、両方使うと約1万円かかります。

どのクラウドで使えますか?

スマホアプリから直接つながるのはDropbox、Googleドライブ、OneDrive、pCloud、S3、Box.com(iOSのみ)、iCloud(iOSのみ)などです。このほかWebDAV経由でNextcloud、ownCloud、Koofrなど多数に対応しています。パソコンの場合は、そのクラウドの同期ソフトをインストールしておく必要があります。

暗号化したファイルを他人と共有できますか?

実質できません。vaultを開くには相手側にもCryptomatorとパスワードが必要になるためです。リンクを送って見てもらう、といった使い方には向きません。共有が必要なファイルはvaultに入れず、通常どおりクラウドに置く運用が現実的です。

ファイル名も隠れますか?

隠れます。公式によるとAES 256ビットでファイルの中身とファイル名の両方を暗号化するため、クラウド側のフォルダを覗かれても内容を推測できません。ファイル名は中身を見なくても情報を漏らすので、ここが暗号化されるのは大きな利点です。

Proton Driveと併用すべきですか?

その必要はありません。Proton Driveは最初から暗号化されているため、Cryptomatorを重ねても暗号化が二重になるだけです。むしろ共有やプレビューができなくなる分、不便が増えます。実際、Cryptomatorの対応クラウド一覧にProtonの名前は出てきません。

CryptomatorとProton Drive、どちらを選ぶべきですか?

今のクラウドを手放せない事情があるならCryptomatorです。仕事の共有フォルダがGoogleにある、家族と共有している、といった場合に有効で、パソコンだけなら無料で始められます。一方、暗号化したまま共有したい、スマホでも追加課金なしで使いたい、メールごとまとめて移したいならProton Driveが向いています。

まとめ

公式資料を確認した結果をまとめます。

  • 今のクラウドを変えずに暗号化を足せます。 これが最大の価値です
  • ファイル名まで暗号化されます。 ファイル名も十分に情報を漏らすので、ここは重要です
  • パソコンは完全無料。 vaultの数にも制限がありません
  • スマホは各€29.99の買い切り。 AndroidとiOSは別購入で、両方なら約1万円です
  • 共有は実質できません。 相手にもCryptomatorとパスワードが必要になります
  • Proton Driveとの併用は不要。 二重に暗号化しても不便が増えるだけです

「Googleドライブをやめられないが、一部のファイルだけは隠したい」という人には、これ以上ない道具です。パソコンだけなら無料なので、試して損はありません。
逆に「どうせなら全部整理したい」なら、最初から暗号化されているProton Driveに移すほうが素直です。無料の5GBから試せます。

▶ Proton Driveの無料アカウントを作る

この記事は2026年7月26日にCryptomator公式サイトと公式ドキュメントを確認して書いています。Cryptomatorのアプリはインストールしておらず、使用感まで検証したものではありません。円換算は1ユーロ170円と置いた目安で、公式にも「地域によって価格が異なる場合がある」と注記されています。当サイトはCryptomatorの紹介プログラムには参加していません。

関連記事

コメント

タイトルとURLをコピーしました