Proton Mailに興味を持ったけれど、まず無料で試せるのか。無料でどこまで使えて、どこから有料が必要になるのか。
この記事では、ProtonMailの無料プラン(Proton Free)でできること・できないことを整理した上で、有料プランへのアップグレードを検討すべきタイミングを解説します。
結論としては、無料版の制約として以下の点に特に注意していただくことが重要です。
- IMAP利用不可
- ストレージが1GBと少ない
- 非アクティブ1年でアカウント削除
特に、一番最後の「非アクティブ1年でアカウント削除」には本当に注意してください。
ProtonMailの無料プランでできること
まず重要な点として、無料プランでもProtonMailの根幹である「暗号化」の機能はフルで使えます。エンドツーエンド暗号化・ゼロアクセス暗号化・パスワード保護メール・自己消滅メールはすべて無料プランに含まれています。セキュリティ面で有料プランと無料プランに差はありません。
制限があるのは、ストレージ量・送信数・機能の数です。
無料プランに含まれるもの
以下に示す基本的なProton Mailとしての機能はすべて利用できます。私は、Proton Unlimitedを利用していますが、マジでこれがすべて無料で使えるのはありえないレベルです。
- メールアドレス:1個(@proton.me)
- メールストレージ:最大1GB(初期500MB。初期設定を完了することで1GBに増量可能)
- 1日の送信上限:150通
- フォルダ・ラベル:各3つまで
- 添付ファイル上限:1通あたり25MB
- HTMLメール署名
- エンドツーエンド暗号化(すべてのProton宛メール)
- ゼロアクセス暗号化(受信したすべてのメール)
- パスワード保護メール(Proton以外の受信者にも送れる)
- 自己消滅メール(一定期間後に自動削除)
- 暗号化された連絡先
- Easy Switch(GmailなどからのメールインポートツールはFreeでも使用可)
- Proton Calendarへのアクセス(3カレンダーまで)
- Proton VPN無料版(10か国・1接続・速度制限なし)
- Proton Drive無料版(最大5GB)
- Proton Pass無料版(2ボールト・10個のhide-my-emailエイリアス)
ProtonMailの無料プランでできないこと
カスタムドメインが使えない
自分のドメイン(例:yourname.com)でProtonMailを使うことはできません。使えるアドレスは @proton.me・@protonmail.com・@pm.me のProton提供ドメインのみです。フリーランスや小規模ビジネスで独自ドメインのメールが必要な場合は、有料プランが必須です。
IMAPアクセス・Proton Bridgeが使えない
OutlookやApple Mail・Thunderbirdなどのメールクライアントでは使えません。アクセスはProtonのウェブサイトまたはProton公式アプリからのみになります。Proton Bridgeは有料プラン専用です。
ストレージが1GBと少ない
Gmailの無料プランが15GBであるのに対し、Proton Freeは最大1GBです。添付ファイルを多く受け取る用途や、過去メールを長期保管したい場合は早い段階で上限に達します。メールを定期的に削除するか、重要なメールだけを保管するといった使い方が現実的です。
1日150通の送信制限がある
1日に送れるメールは150通までです。個人の日常的なやりとりであれば十分ですが、ビジネスや複数の取引先とのやりとりが多い場合には不足する可能性があります。なお、CC・BCCの宛先もそれぞれ1通としてカウントされます。
フォルダ・ラベルが各3つまで
メールを整理するためのフォルダとラベルはそれぞれ3つしか作れません。仕事・プライベート・特定のプロジェクトなどで細かく分類したい場合には少し無料版だけでは不便です。
自動返信(不在通知)が使えない
休暇中や不在時の自動返信メール機能は有料プランのみの機能です。
メールエイリアスが使えない(hide-my-emailは除く)
追加のProtonメールアドレスを作ることはできません。Proton Passのhide-my-emailエイリアスは10個まで使えますが、メールとして返信できる独立したアドレスは1つのみです。
カスタムフィルターが使えない
特定の条件に基づいてメールを自動的に振り分ける高度なフィルター機能は有料プラン専用です。
サポートが制限される
無料プランのサポートはヘルプセンターとメールのみです。有料プランでは優先サポートが受けられます。
非アクティブ1年でアカウント削除のリスク
無料アカウントは、1年間ログインがない場合に削除される可能性があります。これは有料プランには適用されません。重要なサービスの登録に使っているアドレスの場合、少なくとも年に1度のログインが必要です。削除される30日・15日・7日前にメールで通知が来ます。なお、2024年4月9日以前に作成されたアカウントは2年間の猶予期間が設けられています。
無料プランと有料プランの比較表
| 機能 | Proton Free | Mail Plus($3.99/月・年払い) | Proton Unlimited($9.99/月・年払い) |
|---|---|---|---|
| 月額 | 無料 | $3.99 | $9.99 |
| メールストレージ | 最大1GB | 15GB(Driveと共有) | 500GB(Driveと共有) |
| メールアドレス数 | 1個 | 最大10個 | 最大15個 |
| 1日の送信上限 | 150通 | 無制限 | 無制限 |
| フォルダ・ラベル | 各3つ | 無制限 | 無制限 |
| カスタムドメイン | × | 1ドメイン | 3ドメイン |
| Proton Bridge(IMAP) | × | ○ | ○ |
| 自動返信 | × | ○ | ○ |
| カスタムフィルター | × | ○ | ○ |
| hide-my-emailエイリアス | 10個 | 10個 | 無制限 |
| ダークウェブモニタリング | × | ○ | ○ |
| VPN | 無料版(10か国) | 無料版(10か国) | Plus(120か国以上) |
| Proton Drive | 最大5GB | 最大5GB | 500GB(Mail と共有) |
| Proton Pass | 2ボールト・10エイリアス | 2ボールト・10エイリアス | 無制限 |
| 優先サポート | × | ○ | ○ |
| 非アクティブ削除 | 1年でリスクあり | なし | なし |
無料プランで十分な人・有料が必要な人
無料プランで十分な場合
まずProtonMailを試してみたい段階では、無料プランで十分です。暗号化・プライバシー保護という核心機能はすべて使えるからです。
特定の用途専用のサブアドレスとして使う場合も無料で十分です。たとえば「ショッピングサイト登録専用」「プライバシーが気になる問い合わせ専用」といった使い方であれば、1GBと1日150通の制限は問題になりません。
実際のメイン連絡はGmailのままで、機密性の高いやりとりだけProton Mailを使うといった並行運用も、無料プランで現実的に対応できます。
有料プランへのアップグレードを検討すべき場合
GmailからProton Mailへ完全に移行したい場合は、有料プランを検討してください。メインで使うメールアドレスを1GBのストレージで運用するのは現実的ではなく、送信制限も日常業務には不足することがあります。
独自ドメインのメールを使いたい場合は有料プランが必須です。
OutlookやApple Mailなど、普段使っているメールクライアントでProtonMailを使いたい場合も、Proton Bridgeが使える有料プランが必要です。
VPN・クラウドストレージ・パスワードマネージャーもまとめてプライバシー重視のサービスに移行したい場合は、個別のプランよりProton Unlimitedがコスト効率の良い選択肢になります。
無料プランから有料プランへ移行する際の注意点
有料プランにアップグレードする際、既存のメールやデータはすべて引き継がれます。アドレスも変わりません。
逆に有料プランから無料プランにダウングレードする場合は注意が必要です。ストレージが1GBを超えていると、超過分のデータを削除するまでダウングレードできません。カスタムドメインを使っていた場合もそのアドレスは使用できなくなります。
Proton Mail PlusとProton Unlimitedのどちらを選ぶかは、VPN・Drive・Passも使うかどうかで判断してください。メール機能だけであればMail Plusで十分です。複数のサービスを使う場合はUnlimitedの方がお得になります。詳しくはProton Unlimitedの料金・損益計算記事を参照してください。
まとめ
ProtonMailの無料プランは「セキュリティを試す」「サブアドレスとして使う」「並行運用する」用途には十分機能します。暗号化という核心機能に差はなく、広告も一切ありません。
一方で、Gmailから完全に移行してメインのメールとして使うには、1GBのストレージと150通の送信制限が現実的な障壁になります。独自ドメインや外部メールクライアントが必要な場合も有料プランが前提です。
まずは無料プランで使い始めて、不足を感じたタイミングでアップグレードするのが、最も無駄のない進め方です。


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